やさしさをふやすしくみ

公園にブルーシートを広げ、画板とクレパスを並べて待ちます。しばらくすると、子どもたちが「何してるの?」と聞いてきます。私は「お絵描きするとおやつがもらえるよ」と答えます。公園で子どもたちに絵を描いてもらい、その絵をおやつと交換する。青空おやつは子どもたちの絵を通して、やさしさの循環を生み出す取り組みです。
 
子どもたちが描いた絵は、その絵を持ち帰るか、青空おやつに預けるかを自分で決めてもらいます。おやつを渡すときに、預けられた絵が未来のおやつになることや、今もらったおやつは、前に誰かが描いた絵から生まれたことを伝えます。

子どもたちから預かった絵は、「おやつのたね」を購入してくれた人の元に送られます。販売方法はネットや展示など、やさしさを増やしたいと思う人々の協力によって成り立っています。おやつ代がない場合は無理に開催しない方針で、これまで月に一度のペースで、5年以上開催し続けています。

最初は、公園で立っている私たちを怪しんでいる人もいました。「飲食物を配るのは心配だ」と言われたこともありました。しかし、少しずつ子どもたちに知ってもらえるようになって、今では私たちを見つけると「今日は青空おやつの日なの?やる〜」と走ってきてくれる子が増えました。

ブルーシートを敷くとそこが居場所になる。青空おやつは困難に直面する前に、ゆるく支え合うための活動です。立派な施設も資格もいらず、必要なのはやさしさを持った人です。商品ではなくやさしさを流通させることが目的で、誰でも気軽に参加できます。

私が子どもの頃、みんなが一円ずつ出し合えばこの世に不幸な人はいなくなると思っていました。クラウドファンディングでそれが実現できる今、戦争はなくなっていません。リーダーやヒーローの出現を待つのではなく、一人ひとりが小さなやさしさを持ち寄り、大きな世界を変えていくことで、平和でやさしい世界を築きたいです。

青空おやつについて

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