前にいるやつらがどういう連中かわかるか。悩みごとが大好きなやつらよ、マイルを計算して、今夜はどこに泊まろうかと心配して、ガソリン代や天気や目的地にどうやって着くかをせっせと考える―――そんなことしなくったって、どっちみち着くっていうのによ。まったく悩まずにはいられねえ連中なのよ。なにが緊急なことなのか見当違いの判断ばかりして、ピュアなくらい不安と不満でいっぱいなのよ、あいつらの魂はな。万人が認めるお墨付きの悩みごとを見つけるまで安まらねえ。そして見つけると今度は、それに似合った表情をしてみせる。つまり、不幸ですってな顔よ。ところがつぎはそれがずっとついて回るから、承知はしているものの、それにまたまた悩まされるってわけ。
悩むのやめよ。