デザインオフィス・ティラミスはおかげさまで2017年3月14日で2周年を迎えました。
ティラミスはこれまで「わたしらしくをたのしく」というスローガンの元にデザインをしてきました。「わたしらしく」というのは当初、自分たちにとって重要なキーワードで、今思うと「わたしらく」は「抑圧されたものから自由に」と置き換えられたのだと思います。
自分たちを抑圧するものがなく、自由を手に入れた私たちは「自由は不自由と隣り合わせにある」ことを知りました。自由になりたいということは、自分が今、不自由であるということで、自由になればまた不自由への旅がはじまります。
それに気がついてから「わたしらしく」という言葉を使うことに違和感を覚えるようになりました。不自由から目をそらして自由を謳歌し続けることは、「旅の恥はかき捨て」と振舞う旅行者のように感じたからです。
デザインは自由も不自由も変幻自在です。知らぬ間に自分たちで作っていた「わたしらしい」という枠をきゅうくつに感じるようになっていました。そしてデザインに「わたしらく」あるよりも、もっと他のものを求めるようになっていったのです。
私たちがうれしく思うのは、自分たちが大切にデザインしたものをよろこんでくれた人がいた時です。それができた時、世界に少しだけ貢献できているのかもしれないと感じた時、そこにはいつもここちよい何かがあることに気がつきました。そして「ここちよい」というキーワードを手に入れた時、すごく広がりのあるイメージを持つことができました。
と、いうことで少し小さくなった服を脱ぎ捨て「わたしらしくをたのしく」から「ここちよく、たのしく」へとスローガンが変わったティラミスであります。これからも末長くよろしくお願いいたします。
デザインオフィス Tiramisu
鈴木ようこ
松村たけし