「日誌」カテゴリーアーカイブ

四角と線のあいだ

四角は線によって描かれ、
線は四角によって構成される。

線は四角によって描かれ
四角は線によって構成される。

四角はどこから線になって
線はどこから四角になるのか?

四角と線のあいだにはおもしろいものが隠されているような気がします。

「自分らしい」という、謎の呪縛を解く

松浦弥太郎先生の「自分らしさはいらない」を読みました。

じぶんらしい、このブランドらしい、この会社らしい、、、。
「らしさ」の枠をつくりすぎたら、窮屈になる。
頭で考えすぎた「らしさ」に 自分が、がんじがらめになって息苦しくなる。

とてもよくわかるなぁと思ったのでした。

今の時代になんか合ってないと思っていいるのに、自分で決めたこと、自分でつくってきたイメージにとらわれて変化できないというのは残念です。
こころが伸びやかで軽やかでいられるほうを選択したほうが、何倍もたのしそうです。

本の中に『エルメスがその昔、馬具をつくるのがエルメスらしさだと頑なだったら、今のエルメスにはなっていない』と書かれていて、「なるほど〜」と思いました。

時代やお客さまに合わせて、こころを使って考えて変化させていける自分でいたいなと思いました。
変えていくけど、「どれもティラミスらしいよね!」って言ってもらえるようなものを、つくっていきたいです。

ここちよく、たわわに実るイメージで。

先月、「わたしらしく」を卒業したばっかりだったので、とてもふむふむと思った本でした。

2周年をむかえました。

デザインオフィス・ティラミスはおかげさまで2017年3月14日で2周年を迎えました。

ティラミスはこれまで「わたしらしくをたのしく」というスローガンの元にデザインをしてきました。「わたしらしく」というのは当初、自分たちにとって重要なキーワードで、今思うと「わたしらく」は「抑圧されたものから自由に」と置き換えられたのだと思います。

自分たちを抑圧するものがなく、自由を手に入れた私たちは「自由は不自由と隣り合わせにある」ことを知りました。自由になりたいということは、自分が今、不自由であるということで、自由になればまた不自由への旅がはじまります。

それに気がついてから「わたしらしく」という言葉を使うことに違和感を覚えるようになりました。不自由から目をそらして自由を謳歌し続けることは、「旅の恥はかき捨て」と振舞う旅行者のように感じたからです。

デザインは自由も不自由も変幻自在です。知らぬ間に自分たちで作っていた「わたしらしい」という枠をきゅうくつに感じるようになっていました。そしてデザインに「わたしらく」あるよりも、もっと他のものを求めるようになっていったのです。

私たちがうれしく思うのは、自分たちが大切にデザインしたものをよろこんでくれた人がいた時です。それができた時、世界に少しだけ貢献できているのかもしれないと感じた時、そこにはいつもここちよい何かがあることに気がつきました。そして「ここちよい」というキーワードを手に入れた時、すごく広がりのあるイメージを持つことができました。

と、いうことで少し小さくなった服を脱ぎ捨て「わたしらしくをたのしく」から「ここちよく、たのしく」へとスローガンが変わったティラミスであります。これからも末長くよろしくお願いいたします。

デザインオフィス Tiramisu
鈴木ようこ
松村たけし

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濁点について

濁点の「点」は、なぜ二つなのだろう?

一つや三つだったらどうだろう?

ふと、そう思った。

そして試してみた。
 
 

通常の「ゲ」。なんの変哲もない「ゲ」である。
1)通常の「ゲ」。なんの変哲もない「ゲ」である。

 
 
濁点から点を一つとったもの。どちらかというと「ケ」に近い印象を受ける。
2)濁点から点を一つとったもの。どちらかというと「ケ」に近い印象を受ける。

 
 
点3つのもの。三つでも「ゲ」と読むことができる。
3)点3つのもの。三つでも「ゲ」と読むことができる。

 
 
点4つ。点が多いがこれを見た人は「ゲ」だと認識するだろう。
4)点4つ。点が多いが「ゲ」と読むことができる。

 
 
思い切って点を10個にしてみた。それでも「ゲ」と認識できる。しかしこれでは隣に文字を配置するのに邪魔そうだ。
5)思い切って点を10個にしてみた。それでも「ゲ」と認識できる。隣に文字を配置するのには邪魔そうだ。

 
 
濁点は一つだけだと、2)のように付けていないと勘違いされてしまう可能性があります。しかしあとは「何個つけようが濁点として認識してくれるだろう」ということが分かりました。以上をふまえて次の文字は読めるでしょうか?
 
 
何と読めるでしょうか?
何と読めるでしょうか?

 
 
何と読めるでしょうか?
何と読めるでしょうか?

 
 
濁点は余分にあっても読むことができるし、なによりその余分から生まれたなんとも言えない雰囲気は、気持ちをたのしくさせてくれます。こんなことを気づかせてくれてありがとう、濁点よ。
 
 
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きもちよさ

つるっとした曲線のカーブがきもちいい。
ゆったりとした文字の間隔がきもちいい。
くしゃくしゃっと丸めた紙がきもちいい。

誰もが無意識のうちに感じている、そこを刺激して掘り出すことができるグラフィックはすごい。

ペーパーバッグに表紙カバーは必要か?

元ソニック・ユース、ファッションブランド、X-girlの創始者、キム・ゴードンが書いたGIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝という本がすごく面白かったです。

しかし1点気になる所がありました。

この本、ペーパーバックなのにカバーがついているんです。

これは推測するに、表紙カバーをつけるかつけないかで、売り上げにかなりの違いがでるのではないか、ということです。

ペーパーバッグにカバーをつけるというのは、バンクシーのグラフィティを額に入れてしまう様なことだと思うんです。

ブライトンのバンクシー
額に入れられたバンクシーのグラフィティ

好みのだと思うのですが、ペーパーバッグはカバーがない方がかっこいいと思います。

追記
編集者の知人にこの話をした所、日本には返本制度があり、返本された際にカバーを取り替えればもう一度市場に出すことができるのだそうです。なのでカバーをつけたほうが長く扱ってもらえるということなんだそうです。私のカバーの有無で売り上げに違いがある云々という推測は間違っていました、すみません、、。

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